■そもそもマーケティングって何?

先生、マーケティングって具体的に何を指すんですか?



そうですね、マーケティングは商品やサービスを販売し、利益を上げるための活動のことです。つまり、個人や組織が市場のニーズを満たすために行う様々な取り組みや計画のことを指します。



なるほど、企業が広告を出したり、商品の開発をしたりすることもマーケティングなんですね。



その通りです。ただし、マーケティングは企業だけのものではありません。NPOや政府、教育機関、医療機関など、さまざまな組織がマーケティングを行っています。



れって、個人にも関係あるんですか?



個人にも関係があります。たとえば、旅行計画を立てる際にもマーケティングが使われます。予算や日程を考慮しつつ、楽しめる計画を立てることも、マーケティングの一環と言えますね。
身近なヒット商品のマーケティング戦略成功事例
食品編





先生、チキンラーメンってすごく有名ですよね。どうしてあんなに長い間人気があるんですか?



そうですね、チキンラーメンは世界初の即席麺として名高いですね。その成功の一因は、USPと呼ばれる独自の強みを持っているからだと言えます。



USPって何ですか?



USPは、「Unigue Selling Proposition」の略で、商品やサービスが持つ独自の強みや提案のことを指します。つまり、その商品やサービスの特徴やセールスポイントを凝縮したものです。



なるほど、具体的にはどんな強みがあるんですか?



チキンラーメンの場合、「すぐおいしい、すごくおいしい」という親しみやすくシンプルな味があります。それでいて、「時間を掛けずに出来上がる」「手軽なのに美味しい」という消費者にとっての価値を提供しています。そのUSPが活かされて、長年にわたって人気を保っているのです。
消費財編





先生、最近の消費財でファブリーズっていうのがすごく人気みたいですよね。なんであんなに売れているんですか?



そうですね、ファブリーズは本当に人気ですね。その成功の理由は、以前は「布地」の臭いに対処する方法として、「頻繁な洗濯またはクリーニング」か「我慢」、あるいは「廃棄」の三者択一が主流でしたが、ファブリーズの登場によって新たな解決策が提供されたからです。



どういう解決策なんですか?



ファブリーズは、スプレーで臭いを除去するという新しい行動様式を提案しました。使い方もとても簡単で、スプレーを吹き付けるだけで効果があります。この手軽さと効果が消費者に好評を呼び、口コミで広がり、売上を押し上げました。



なるほど、消費者の不満に対して新しい解決策を提供することで、ファブリーズが成功したんですね。



そうです。ファブリーズは消費者のインサイトに呼応する商品として登場し、すでに多くの人々の生活に欠かせない存在になっています。
電化製品編





先生、ダイソンの掃除機ってすごく人気ですよね。なぜあんなに売れているんですか?



そうですね、ダイソンの掃除機は本当に人気がありますね。その成功の理由は、ダイソンが持つ独自の強みをストレートに表現した広告が大きな役割を果たしています。



どんな広告だったんですか?



ダイソンの広告では、「吸引力の落ちないただ一つの掃除機」というキャッチコピーが使われています。これはダイソンが掃除機の吸引力を維持するための独自の技術を持っていることを強調しています。



なるほど、そういう広告があれば、ダイソンの掃除機を知っている人が多くなるわけですね。



その通りです。ダイソンの広告は競合他社の掃除機とは一線を画す独自の技術を伝え、競合商品の数倍の価格でも売れるほどの影響力を持っています。
身近な文化になった面白いマーケティング事例
生活にすっかり馴染んで、もはや文化と言ってもいいほどの興味深いマーケティング事例を紹介しましょう。
バレンタインデーのチョコレー


バレンタインデーのチョコレートが日本で文化として定着するまでの経緯は興味深いですね。



生、バレンタインデーのチョコレートって、なんでそんなに普及したんですか?



バレンタインデーのチョコレートが広まった背景には、日本でバレンタインデーが定着する前から存在した海外の風習が関係しています。ヨーロッパでは2月14日のバレンタインデーに、チョコレートや花、カードを贈り合う習慣がありました。日本ではこれを参考にして、1958年にメリーチョコレートがハート型のチョコレートを発売したことが最初のバレンタイン商戦とされています。



それで、最初はどうだったんですか?



最初はあまり成功しなかったんですよ。日本でのバレンタインデーの認知度が低かったため、ほとんど売れなかったそうです。でも、翌年に「女性から男性へ」というキャッチフレーズでバージョンアップしたハート型チョコが注目を集め、ブームになりました。



それからどうなったんですか?



の後、他の製菓メーカーもこのブームに乗り、バレンタイン商戦が盛り上がっていきました。今では、バレンタインデーとホワイトデーのお返しを含めた市場規模が2,500億円にも達する大きな市場に成長しました。
節分の恵方巻





先生、節分に食べる恵方巻って、どうして食べるようになったんですか?



確かに、恵方巻の起源にはいくつかの説がありますが、1970年代に大阪の海苔問屋と寿司店がポスターを使って節分に恵方巻を食べる風習を広めようとしたことが有力な説の一つです。



そうなんですね。
でも、恵方巻って、なぜ節分に食べることになったんですか?



恵方巻を節分に食べるようになった理由は、特に定かではありませんが、一説には、その年の恵方に向かって恵方巻を食べると福を呼び込めるという風習が広まったと言われています。



でも、恵方巻の販売ノルマや売れ残りの問題もあるんですよね?



そうですね。恵方巻の人気が高まる一方で、販売ノルマや売れ残りの廃棄が社会問題になることもあります。ただし、それでも恵方巻は文化として根付いており、節分の風物詩として多くの人々に親しまれています。
土用の丑の日





先生、土用の丑の日にうなぎを食べる風習って、なんで始まったんですか?



その由来にはいくつかの説がありますが、一つは「う」のつくものを食べると病気に罹らないという言い伝えから来ていると言われています。



そうなんですか。
でも、最初はうなぎ以外のものを食べていたんですよね?



はい、そうです。元々はうなぎではなく、梅干しや牛肉(うし)、うどん、瓜などを食べていました。そして、うなぎを食べるようになった由来のひとつが「平賀源内説」と呼ばれるものです。



平賀源内説って、どんな話なんですか?



江戸時代中期の学者である平賀源内が、夏に売上が伸び悩むうなぎ屋の相談を受け、店頭に「本日丑の日」という張り紙をして「う」のつくうなぎを勧めるよう提案しました。その効果があって、うなぎ屋が大繁盛し、他の店にも広まってこの風習が文化として定着したという説です。
最新のマーケティング手法の身近な事例
オムニチャネルマーケティング



先生、オムニチャネルって何ですか?



よく聞いたね。オムニチャネルとは、「あらゆる経路」という意味なんだ。要するに、ECサイト、店舗、自社メディア、SNSアカウントなど、いろんな場所でお客さんに対応する方法を一貫して行う考え方のことなんだよ。



なるほど、つまり、どんな場所や方法でもお客さんに対応するってことですね。



その通りだ。例えば、お客さんがECサイトで商品を見て気に入ったら、店舗に行って実物を確認したり、SNSで商品の情報を見てから購入したりできる。それぞれの場所や方法でお客さんに快適な体験を提供することが大事なんだよ。
SNSマーケティング



SNSマーケティングって何ですか?



よく聞いたね。SNSマーケティングは、SNSアカウントを使ってキャンペーンやアンケート、情報発信などを通じてブランディングを図るマーケティング手法なんだ。つまり、FacebookやInstagramなどのSNSを活用して、企業やブランドが自らの情報を発信し、顧客とのコミュニケーションを図ることを指すんだ。



なるほど、SNSを使って企業が自分たちのことを知ってもらうための方法ですね。



その通りだ。特に、最近ではスマートフォンの普及によって、幅広い層がSNSマーケティングの影響を受けて行動を起こしているんだ。例えば、SNS上で行われるインスタントウィン(デジタルの削りくじ)などのキャンペーンがトレンドになっている。このようなキャンペーンでは、景品がすぐに受け取れるデジタルギフトなどが人気で、消費者にとって魅力的なキャンペーンとして受け入れられているよ。
動画マーケティング



先生、YouTubeやインスタライブ、TikTokなどを使った認知活動って何ですか?



いい質問だね。それらは動画を使ってブランドや商品、サービスを広めるマーケティング活動のことだよ。例えば、YouTubeではチャンネルを作って商品の紹介や使い方の解説、イベントの模様などを動画で公開することができるんだ。同様に、インスタライブやTikTokでも商品やサービスの魅力を伝える動画を配信することができるんだよ。



なるほど、動画を使って情報を伝えるんですね。



そうだね。動画はテキストや写真よりも多くの情報を盛り込むことができるから、ブランディングを勧めるのに向いているんだ。また、BGMや効果音、テロップ風のキャプションなどを使ってPOP感を出すと、堅苦しい説明よりもすんなり視聴するターゲット層に受け入れられることも多いんだよ。
コンテンツマーケティング



コンテンツマーケティングって何ですか?



コンテンツマーケティングは、主にオウンドメディアを使って、ターゲット層に有益な情報を提供し、顧客化に導くマーケティング手法なんだ。つまり、企業が自分たちのウェブサイトやブログ、SNSなどで役立つ情報を提供することで、顧客との信頼関係を築き、商品やサービスの利用につなげるんだ。



なるほど、自分たちのメディアを使って情報を提供することで顧客を引きつけるんですね。



その通りだ。コンテンツマーケティングは、従来のアウトバウンドマーケティング(企業からの積極的なアプローチ)に対する近年のインバウンドマーケティング(顧客側からのアプローチを促進する)の一環として位置付けられているんだ。具体的には、検索エンジン経由などでサイトに訪れたユーザーを企業ブランドのファンに育てることを目指しているよ。そして、SNSなどの拡散力の高いプラットフォームと連携することが、その効果を高めるポイントだよ。
マーケティングが上手い企業
身近にある商品を多く生み出している、マーケティングが上手い企業をご紹介します。
ユニクロ(ファーストリテイリング)
日本だけでなく、世界中で多くの顧客が身近なカジュアルアイテムを求めるユニクロのマーケティングは素晴らしいですね。
一般的に、アパレルブランドは顧客を年齢や好みで分けていますが、ユニクロは異なります。ユニクロは、コンセプトを極めてシンプルな「カジュアル&ベーシック」に絞ることで、多くの層に向けて成功裏にターゲットを拡大しています。
1990年代後半に、品揃え型からSPA(製造型小売業)に業態転換しました。彼らはわかりやすいアメカジスタイルをベースに、汎用性が高くて低価格のファッションアイテムを打ち出しました。これにより、中国の工場での大量生産と低コスト化を実現し、「安いけれど品質が悪い」というイメージを回避しました。
ユニクロは、メンズ・レディース・キッズ向けに豊富なサイズやカラーで幅広いアイテム展開を行っています。1998年のフリースブームなど、社会現象的な流れをも活かし、膨大なカラーバリエーションとロープライス、効果的なプロモーションを通じて大きな成功を収めました。
彼らのイメージ広告は、新しい価値観を訴求する一方で、価格訴求のチラシも広い客層に訴えました。さらに、ユニクロはヒートテックやエアリズムなど、多くのロングセラーアイテムを生み出し、今やグローバルな企業となっています。
P&G
P&Gは、アメリカ資本の外資系消費財メーカーで、多くの身近なヒット商品を生み出しています。例えば、洗剤の「アリエール」やスキンケアの「SK-II」、シェーバーの「ブラウン」、ヘアケアの「パンテーン」、乳幼児用紙おむつの「パンパース」、そして前述のファブリーズなどがその代表的な製品です。
これらの商品名は、知っている人も多いかもしれませんが、意外とP&Gが製造していることは知られていないことがあります。
それは、万が一商品にトラブルが発生しても、P&Gの他の製品との関連性を感じさせずに、被害を最小限に留めるためです。また、M&Aや業界再編でP&Gの社名が変わっても、個々の商品の愛用者を混乱させないようにという考え方もあります。
サントリー
サントリーのマーケティングの優れた点は、顧客の心の中に眠る潜在的なニーズを見極めることにあります。
例えば、「プレミアム・モルツ」は最初はギフト需要に応えるプレミアム感を持つ商品として販売されていました。実際、ギフトシーズンには販売数が伸びていました。
しかし、同社のマーケティングリサーチによると、「プレミアム・モルツ」は、1週間頑張った自分へのご褒美として週末に少し贅沢を楽しむ需要もあることが判明しました。
そこで、サントリーは「週末」をキーワードにして戦略を再構築し、週末に飲むビールとしての広告プロモーションを大々的に展開しました。すると、週末の需要が急速に増加し、前年比440%の売上記録を達成することに成功しました。
スターバックス
1990年代前半、スターバックスが日本に進出する前は、喫茶市場において「サードプレイス」という概念は存在しておらず、その需要も表面上では存在しませんでした。
「サードプレイス」とは、家と職場に次ぐ、心地よく過ごせる第3の場所を指します。これは、現代社会におけるストレスを癒やし、一時のリラックスを提供する新しい概念でした。
スターバックスが従来の喫茶店と大きく異なることの一つは、初期から禁煙政策を採用していたことです。そのため、焙煎したてのコーヒーの香りを存分に楽しんでもらうために、スタッフを含めて全面的に禁煙を徹底していました。さらに、当時のインターネット利用者にとって嬉しい要素として、フリーWi-Fiが提供されていたことも挙げられます。これは、インターネットを利用していた人々にとって大きな喜びでした。
まとめ
確かに、日常生活に密着したマーケティング事例は、私たちが気づかないうちに私たちの生活に深く浸透しています。BtoBビジネスの読者の方々にとっても、BtoCビジネスのマーケティング事例を知ることは、新たな発見やアイデアを得るために有益です。
例えば、スターバックスの「サードプレイス」の概念や、サントリーの「週末にちょっとした贅沢」のニーズを満たす商品戦略などは、消費者と密接に関わるBtoCマーケティングの優れた例です。これらの事例を学ぶことで、顧客の心理やニーズに対する理解を深め、自社のビジネスに活かすことができます。
また、身近なヒット商品を生んでいる企業のマーケティング戦略を分析することも、BtoBビジネスにとって重要です。例えば、ユニクロやP&Gなどが提供する身近な商品が、どのようなマーケティング戦略によって成功を収めたのかを理解することで、自社のビジネスに活かすことができます。
つまり、BtoCビジネスのマーケティング事例を知ることは、BtoBマーケティングにとっても重要であり、新たな視点やヒントを得ることができる有効な手段です。




