あまり言いすぎると、本心からかどうか疑われてしまいます。タイミングと誠意が大切です。
「すみません」が口癖になっている人
日本では「すみません」という表現が日常的に使われていますが、その使い方には複数の意味が込められています。謝罪の意味で使う「ごめんなさい」に近い意味合いもあれば、「ちょっと失礼します」や「あの~、すみません」といった声かけの意味でもよく使われます。さらに、感謝の場面でも「ありがとう」の代わりに「すみません」を使うことが多く見られます。
このように「すみません」を多用する背景には、日本人が本音と建前を使い分ける文化が影響しています。たとえば、上司に叱責されたとき、自分では悪いと思っていなくても、とりあえず「すみません」と謝ることが一般的です。このような場面での「すみません」は、自分を少し卑下して見せることで上司に逆らわず、波風を立てないための自己呈示の一種と考えられます。実際には自分が納得していなくても、取り入るための建前として「すみません」を使うのです。
また、自己評価が低い人や、自分を責めやすい「自罰自責型性格」の人も、無意識のうちに「すみません」を頻繁に使ってしまう傾向があります。こうした性格の人は、他人とのトラブルや失敗の場面で自分に非があると考えがちで、その結果、必要以上に「すみません」を繰り返してしまうのです。
このように「すみません」の多用は、日本人の特有のコミュニケーションスタイルや、自己呈示や性格による影響が大きいと言えるでしょう。
謝らない人の内面は弱い
「すみません」とよく謝る人がいる一方で、頑なに謝らない人もいます。彼らは、自分が正しいと思い込み、何か問題が起きた場合でも、責任を他人や環境に押し付ける傾向があります。心理学では、このような性格を「外罰他責型性格」と呼びます。一見、自信に満ちていて、神経が図太いように思えるかもしれませんが、実はその反対であることも多いのです。
外罰他責型の人は、内面が非常にもろく、自己評価が低い場合が少なくありません。自分の弱さや不安定な内面を他人に見られることを極端に恐れるため、あえて傲慢に見える態度をとりがちです。これは、自己防衛の一環であり、他人の批判や自分への責任を受け入れることが怖いため、攻撃的な姿勢をとってしまうのです。その結果、謝るべきタイミングで素直に謝罪することができず、周囲との関係に摩擦が生まれてしまうことが少なくありません。
つまり、他人を激しく批判する行動は、内面の脆さを隠すための過剰な自己防衛反応であり、謝罪できないのも自己防衛の一環と考えられます。
謝り方には性格がかかわっていた
すぐに謝る人

- 自罰自責型性格
- プライドが低い
- 自己卑下して取り入っている
- 自分を強く否定している
絶対に謝らない人

- 外罰他責型性格
- 傲慢に見えて内面は弱い
- 立場が上だと思っている
- 防衛的攻撃をする
電話の向こうに想いは届く?
電話での会話中、ふとした瞬間に自分でも気づかず「すみません」と言いながら頭を下げてしまうことがあります。相手には見えていないはずなのに、つい謝罪の気持ちを込めて頭を下げる――この行動は心理学で「図解的動作」と呼ばれるものの一種です。図解的動作は、言葉と動作を合わせることで、自分の気持ちをより効果的に相手に伝えようとする無意識の行動です。電話の相手には見えないにもかかわらず、動作を伴うことで、言葉に自然な説得力が生まれ、謝罪の意図がより伝わりやすくなる効果があります。
こうした行動は、長い年月の中で習慣化されたものでもあります。謝罪の言葉を発すると同時に頭を下げる動作が身についているため、電話越しでも無意識のうちにその動作が出てしまうのです。
一方で、電話だからといって気を抜いて、ただ口だけで「すみません」と言っても、その態度は相手に伝わってしまいます。たとえ相手に見えなくても、言葉や声のトーンに誠意が表れます。電話であっても、言葉だけでなく、誠実な態度や気持ちが大切だということがわかります。
